米澤邸

所在地 ： 徳島市西大工町
構造規模：ＲＣ造　２階建て
外断熱工法（ＧＲＣ外断熱工法　�潟Wーシールド）を採用
用 途 ： 住宅
幹線道路より良く見える高台にあり、ロケーションは抜群

施主は幼稚園から高校までの同級生。同じクラスになったこと
は一度もなく、どういう訳か大学生になってから良く付き合うよ
うになりました。施主は転勤が多く、徳島からは何十年も離れ
て暮らしていました。ある時、突然に電話がかかってきて相談
したいことがあるということで、高知から遠路やってきてくれま
した。

十数年振りに会いましたが、話しをするうちに、昔のような感じ
に戻ってきました。どうやら、徳島で老後を過ごすことに決めた
ので、家の相談にやってきたのでした。今の家を改装するのが
よいか、新築するのが良いか。耐震のことなどを考えると新築
したほうが、安心だという結論になりました。で、どんな家が良
かということで、住宅なら木造がいいよと言いました。

しかし、今ひとつの感じです。で、どうしたのと尋ねると、山に近
いこと、三島神社さんの鳥居が横なので地震の時に木造では
心配とのこと。それなら、鉄筋コンクリート構造（ＲＣ構造）にし
て、外断熱工法で快適な生活ができるようにしてはどうか？と
いうことで構造は決定しました。施主がすでにプランを考えて
いたので、その構想をもとにプランを練りました。

外断熱材と配筋検査

前回は木造で外張り断熱工法を採用しましたが、今回はＲＣ構
造による本格的な外断熱工法となりました。コンクリート打放し
と良く間違えられますが、ＧＲＣ１０ｍｍ＋断熱材４０ｍｍの外
断熱です。写真は工事中の配筋検査の状況で白く見えるのが
断熱材です。

奥さまからの要望は、ガラスブロックを使うこと、珪藻土の壁、
床暖房でした。全室という訳にはいかないので、コルクタイルを
寝室、洗面脱衣室、サンルームの床に使用することにしました。
基本設計も終わるころ、施主が「ぼーっと空が見たいなあ。」と
つぶやきました。暗い部屋は厭だということで、トップライトを作
っていたのですが、空を見る部屋が欲しいということでした。

そこで、急遽設計変更をし、２階を作ることになったのですが、
階段がうまく納まりませんし、外観デザインのバランスも悪くな
ります。施主からの提案で中２階にすることになり、階段の途中
に引戸がある変則的な階段になりましたが、おかげで外観のバ
ランスも良くなり、どうにか納得のいくものになりました。

三島神社より見下ろした外観。２階の左側がサンルームで右側
がトップライト。サンルームは中２階で高さを押えてあるので、部
屋があるように見えない。デザイン的には、屋根を切り返してあ
り、この建物の見所の一つでもある。施主は、トップライトをとて
も気にいってくれ毎日空を見ているとのこと。奥さまも天気が良く
わかるので良いとおっしゃっています。